2019年04月30日

伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」を観てきた

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ヨーロッパ絵画のフォービズムや後期印象派に先立つこと100年以上前に点描で極彩色の絵画を描いていた若冲の「鳥獣花木図屏風」。
2016年開催の京都で観た若冲展のカタログに載っていたものの展示時期が過ぎていて本物を観れなかったその「鳥獣花木図屏風」を観に静岡県立美術館へ行ってきた。

幸いというのか閉館時間近くなると外の雨天も重なり観客が減りじっくり鑑賞できた。この極楽感というのか天界感というのか、何ともいえない感覚。多分右隻の動物から描き始め、次に左隻の鳥を描いたんだろうと思うんだけど、左隻の点描のこなれた感やグリッドに対する自由な感覚が気持ちよかった。

・左隻
https://artsandculture.google.com/asset/animals-in-the-flower-garden-right-hand-screen/8QGBpHoNA3IkNg

・右隻
https://artsandculture.google.com/asset/animals-in-the-flower-garden-left-hand-screen/lQGhxJzDx6W9nw

若冲のような個性的な画家を支えた京都の町人、特にパトロンだったであろう商家の素晴らしさもあるわな。

(以下社会学的なお話になりますが…。)
先だって読んだ森嶋通夫氏の著書によると、市場(マーケット)を軸にした「下からの経済」が日本でも立ち上がり本格的な町人社会が勃興しかけたのが、17世紀末から若冲が生まれる直前の18世紀初頭だそうだ。その後危機感を抱いた幕府による統制が強化され、自律的な町人(市民)社会の成立が阻止されたまま、明治維新後には中央集権的な統制が更に強まったとか。そんな幕府の統制が強化され始めた18世紀に活躍した若冲。他にも個性的な画家を多数輩出した当時の京画壇。まだまだ町人(商家)の力があったということなんだろうなあ。
(中央主権的なお上による統制的な「上からの経済・文化」が強化されたまんま21世紀になったのがこれまでの日本だそうな。)
そんなことにも思いを馳せさせられた若冲の個性的な絵画でした。

展覧会URL
屏風爛漫 ひらく、ひろがる、つつみこむ
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/48

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(撮影可能だったレプリカ。勿論本物も展示されてました)
posted by ハギー at 22:16| Comment(0) | ART
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